株式会社オチマーケティングオフィス 


<97>変化への対応


百貨店とGMSの変化への対応力は、大きく異なっています。

百貨店は変化に疎く、大地震でも起きなければ微動しない位、前年踏襲に近い企業が多いのです。また、ルーチングの仕事以外は、経営TOPが指示しないと動きが無い状態なのです。
中間層は自分のルーチングワークについては、精通しているので、これ以上の事は出来ないとの考え方に捕われており、経営TOPからの変革への指示を受け入れにくいのです。
自らが自社VISIONを明確に設定し、企業VISIONとのGAPを認識し、常にそのGAPをどのように埋めるのかを議論しながら、仕事を推進していくことが欠けているのです。
自分のVISIONや提案に責任を取らないで、自分の意見で上司を説得出来るはずもなく、自分や会社の仕事など進むはずもないのです。

GMSも確かにTOPが指示しないと動きが無い状態なのですが、経営TOPが変化しないと生き延びない業態(危機意識)を認識しているので、変化しやすい環境になるのです。
しかし、その方向性に向けて、中間層が得意の食品以外のマーケットに精通していないケースが多く、TOPの方向性を吟味しないで突入しているので、やる前から判っている事まで、やってしまっているのです。
または、ボタンの掛け違いが原因なのに、その根本やあるべきVISIONが明確に設定できていないので、最後のボタンのみを外せばといった判断に基づく動きが多いのが実情です。

常に足元を確認し、上に向かって挑戦していくことは企業人として最高に栄誉であります。しかし、足元がくらついていれば、ジャンプもままなりません。だからこそ、既存事業の安定した黒字化が最初のハードルと言えるのです。ここをクリアさせるロジカルなビジネスモデルの構築と、熱い想いが相まってこそ企業の経営改革が可能になるのです。

小売・流通業界の活性化に向けて、是非とも顧客ニーズ(顕在需要のみでなく潜在需要も)にフィットするモノ・コトを提案できるビジネスフレームを構築できる経営者の育成を望むものです。
実践はやってみないと判らない事もあるのですが、やる前に判断できる事は事前に抑えておくべきです。健全なる企業経営に早急に改善・改革できる事を祈念致します。

2014.07.28
株式会社 オチマーケティングオフィス  生地 雅之

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