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<89>モノが良かっただけで売れた時代との決別
政権交代を皮切りに、経済回復への模索が漸く始められようとしています。
しかしながら、先は消費税増税といういばらの道があり、そう簡単には行きそうもない現状です。
各企業は現状からの脱却を求めてはいますが、現実手を付けられているのはほんの一握りの企業に過ぎないのです。
また、過去の成功体験から抜け出せていない企業がまだ多く現存するのです。特に大手流通業の子会社の経営者は親会社から送り込まれてくるケースが多く、親会社としては子会社で経営の勉強をとの思いでの人事なのでしょうが、現実は親会社で営業や販売の現場で成功体験のある方が天下りのように転属され、良い商品を作ればお客様が買いに来られるとの勘違いが子会社の経営そのものを駄目にしているのです。
良い商品を作ったり、仕入れたりして売るのは当然ですが、いままでの大きな看板の下、集客パワーは全開であり、必要とされる顧客のマーケティングや必要とされている人に的確なプロモーションをしなくてもある程度の売上を確保されてきたのです。
しかし現状の会社では、もっと細部に渡ったマーケティング、マーチャンダイジング、プロモーションを心掛け、小さい投資で大きなリターンが読めるビジネスモデルの構築から始めないと、企業として生き残る事は不可能です。
親会社に居る時から部長でも、取締役でも経営感覚を持ちながらの部の運営を心掛けておく事が重要なのです。取締役は経営層なのですが、ラインを持った取締役にはその俯瞰して全体を見難い状態なのです。このような意識の人事では子会社の社員は働く意欲を失っていくのです。
経営層に経営意識(儲けるためのビジネスモデルを構築できる教育)を植え付ける事が早急に求められています。
小売・流通業界の活性化に向けて、是非とも顧客ニーズ(顕在のみでなく潜在も)にフィットするモノ・コトを提案できるビジネスフレームを構築できる経営者の育成を望むものです。
実践はやってみないと判らない事もあるのですが、やる前に判断できる事は事前に抑えておくべきです。健全なる企業経営に早急に改善・改革できる事を祈念致します。
2013.11.25
株式会社 オチマーケティングオフィス 生地 雅之
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