株式会社オチマーケティングオフィス 


<58>既存顧客と次世代顧客獲得の重要性

リーマンショック以降低迷が続いていました小売業にも大きな変化が見えてきました。元気に伸びていますFBやアウトレット、安定期に入ったSC、少し復調気味の百貨店、苦戦続きのGMSと明暗が分かれつつあります。
小売業やアパレルは時代の変化に適応しながら、お客様の望む物を提案し続けなければなりません。勿論顕在需要のみではなく、潜在需要の掘り起こしも重要な課題です。

ここ数年小売業は売上の低迷に苦しんでいます。リーマンショックの影響は昨秋に一度踊り場で止まったかのように見えますが、実は小売業もアパレルも何もアクションを起こしてはいなく、暗中模索状態であったのです。逆に消費者の方が節約に飽きがきており、消費行動の脇が少し緩んできていたのです。3月の震災においては一時脇がしまりましたが、それもつかの間4月度の売上はそれを取り戻した状況になり、5月6月になってほぼ元通り状態になりつつあります。

この様な状況の中で、小売業や直接消費者と接点を持っているアパレルにおいては、売上の拡大のために、新規顧客獲得に目が奪われがちです。しかし、マーケティング論においても、新規顧客の獲得に要するコストとエネルギーは、既存顧客をコアリピータやロイヤルリピータにするコストとエネルギーの5倍掛かるとも言われているのです。
よって、如何に既存顧客の囲い込みを戦略として確立させるかがポイントです。

1.自店顧客マーケティングについて
1)自フロアの顧客の顔のイメージ(アナログ=見た目)で把握
  自フロアに来場されて、購買されている方と購買されない方のお顔の洗い出し
2)その顧客にニアリーのMD集約と同テイストでの幅出し(面積は広げないで可能)が、
  購買される方への2枚目誘導と来場されても購買されない方へのアプローチになります。
3)他フロアに来店されて、自フロアに来店されないお客様(フロア新規)へのアプローチ
上記1)+2)が既存顧客へのアプローチで、この方をコア・リピータやロイヤル・リピータに格上げする為に、接客・サービス等の質の向上は勿論の事、上記3)へのプレゼンテーション(確実なるお伝え)の見直しが重要です。

2.次世代マーケティングについて
次に、そのままではメインターゲットとなるお客様のエイジが上がれば、その店は死滅する訳ですから、次の世代を確保する準備が必要です。
自店の顧客のエイジが高いから、若い客層の他店に行かれている方も年齢が高くなれば勝手に自店に来られると言った考え方を持つ店も多々言われますが、大きな間違いです。
彼らは育った店とともに年を重ねて行くので、アパレルのブランドと一緒で、ショップブランドも消滅していくのです。
よって、今後の後継者(新入社員達のために)企業を存続させていく使命があるのです。
そのために、次世代マーケットを確保し育てて行く必要があるのです。

3.結果を出すために
日々刻々とマーケットは変化しています。
1)情報は必要か必要でないかの処理能力があれば多い方が当然良いのです。
2)自社として変えない部分と変える部分の区分けも重要です。
3)自分でできる事と出来ない事の見極めも必要です。
よって、他店の動向視察は重要です。但し、「何が売れている、何が売れていない」より、他店で「何故それが売れているのか?何故それが売れていないのか?」を考える事と自店ではどうなるのかの研究・検証をして、自店に合うアイデアであれば取り入れ、自店のお客様に合うように変更して活用されるべきです。

まとめ
要は、小売業は素晴らしいショップブランドを、アパレルも素晴らしいグッズブランドを保持しているのですから、各々の店の地域顧客に密着させれば凄いパワーを発揮できる業態であり、如何に既存顧客にお伝えできるのかを問われているのです。
「お客様目線で商品と売場の課題を発見し、プロの技での改革」が必要です。
是非とも健全な顧客満足度の向上になるように、小売業やアパレルの経営力を早急に再構築できる事を祈念致します。

2011.06.28
株式会社 オチマーケティングオフィス  生地 雅之

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