株式会社オチマーケティングオフィス 


<52>関西地区リサーチ情報21
 =三井アウトレット滋賀竜王+イオンモール京都SC+COCON KARASUMA


8月28(土)に関西地区のアウトレットとショッピングセンターをリサーチしてきました。
近視眼的ですが、リサーチにて感じた内容を想いのままに記載してみます。
少々乱暴な点はご容赦願います。

1) 三井アウトレットパーク滋賀竜王 (10/07/08 OPEN)
JR京都から米原に向かって約30分、東海道線関西の東端の野洲駅からバスで30分弱の田園風景の中に出来た三井アウトレットパーク滋賀竜王は、敷地面積18万m2、通常駐車場2500台であり、佐野のような2層のアウトレットです。ゾーニングはあみや三田やりんくうのようなチェルシータイプに近付いています。
店舗数はALLで151店、FASHION84店(56%)、雑貨41店(27%)、サービス3店(2%)、飲食23店(15%)とFASHION比率も高すぎず、飲食も15%程度と徐々に現代的構成になっています。
特に、FAMILY-MARTを導入した事は今後他のOUTLETにも広がるものです。欲を言えばスーパーマーケット(食品中心)を導入するとディリーの安定が見込まれます。

要は、主婦は2箇所の買い物は出来るだけ避けたいのです。OPEN1年後に低下してくる売上を維持・向上させるならディリーで必要な食品スーパーが駐車場の手前にあれば一石二鳥なのです。南砂のスナモはJUSCOの食品が入っており、2年目を迎えても、車客が減少しても、駐輪場を増加せざるを得ないほどのディリーのお客様の導入があります。北砂にARIOが出来ようと変化なしです。

飲食も地元を重宝し、近江牛「岡喜」、京都宇治らんちょす、湖華舞、アメリカ村甲賀流プレミアム等が目立っています。メディカルコスメ「ドクターシーラボ」も参入し、バラエティに富んでいます。しかし、ファッションではPOLO、NEWYORKER、ラコステ、エーグル以外はこれといって目を引くブランドは少ないのです。雑貨でFOSSILは昨年2月より直営店の展開を始め、OUTLETにも参入しており、今後が楽しみです。既に米国ではアパレルまで展開しており、現在ヨーロッパ戦略を展開中で、その後に日本上陸を予定していると思われます。

暑い日にバスで訪れたのですが、OPEN1ヶ月以上経過していても土曜日の朝には500人くらいの人が開館待ち状態でした。しかし、入館後に畑の肥料の匂いが漂い、お客様には嫌がられていましたので、配慮が必要でしょう。
ただ、この商圏はかなり期待ができると思われ、初月37億円で、通常なら初年度370億円まで届きそうな感じですが、ほぼ220億円が妥当な売上でしょう。

2)イオンモール京都 (10/06/04 OPEN)
京都駅南西側で駅から5分程度の好立地で、地上7F+RFであり、5Fの半分とそれ以上は駐車場です。敷地面積は3万m2であり、商業面積は4.5万m2です。駐車場は1125台、駐輪場は1200台と近隣客がターゲットです。
清水建設が地権者と建物を所有しているようで、イオンはデべロッパー機能のみとの事です。
全体で129店、FASHIONは47店(36%)、雑貨18店(14%)、アミューズメント&サービス33店(26%)、飲食31店(24%)となっており、百貨店よりゆったりした感覚でありますが、百貨店が近いので有力FASHION-BRANDが入れなかったというのが実情と思われます。

本館(さくら館)と別館(かえで館)とは2F+3Fで繋がっており、かえで館は1FはTVキャラクターショップ、2Fが大垣書店、3Fがゼビオ、4Fが家具インテリアのINTER-HEARTS、5FがシネコンT・ジョイ京都となっており、大箱のみです。
本館の核店舗は1Fの奥にスーパーKOHYO、ZARA(未OPEN)、2Fに無印、3Fにユニクロとゾフマップ、4Fにはフードコートとダイソーやナムコランド等で、通路も広くゆったりとした環境を作っています。しかし、フロアの照明が暗く、まして4Fのレストランや2Fの中島面にTOMY-HILFIGERが背の高いSHOPを囲っており、ニューファミリーとその下(20〜40歳)がターゲットであるのに、落ち着き過ぎの雰囲気です。もっと明るくしておけば、立地も良いので期待ができます。

3)COCON-KARASUMA(04/12月 OPEN)
四条烏丸の交差点角に旧丸紅の跡地に出来ていました古今烏丸を見てきました。
建築家の隈研吾氏が再生して商業施設を構成したのです。
オフィスビルの1〜3Fのみであり、1F&2Fの一部がACTUS、その他B1F〜2Fまでグルメショップが散りばめられており、3Fはシネマと雑貨程度で、京都らしさとモダンさの融合は理解できるが、ショップが少なすぎて、気に入った店に常連になった人のみの隠れ家状態です。

オーバープロダクト、オーバースペースの環境下、これからの日本の消費構造の変化を鑑み、「お客様目線で売場や商品を見て、手直しはプロの技」といった事を徹底しながら差別化する事は至難の業ですが、諦めずにチャレンジしていく事は永遠の課題でしょう。
これからも、特にリピーターを財産として捉え、ストアブランドとグッズブランドの違いを認識
され、各ブランドの価値創造による消費者のライフスタイルの確立を目指すビジネスの重要性が増すものと考えます。これらの実行が、今後の発展に寄与できるものと確信しています。

2010.12.28
株式会社 オチマーケティングオフィス  生地 雅之


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