株式会社オチマーケティングオフィス 


<47>関東地区リサーチ情報Q

 =ARIO北砂+LUMINE池袋

OPENしましたARIO北砂をOPEN日の6月4日(金)の夕方と6月28日(月)の夕方に、
LUMINE池袋を7月4日(日)夕方にリサーチしてきました。

1.ARIO北砂
西大島から明治通りを10分程度歩くと、右側にARIO北砂が完成しました。
119の専門店とイトーヨーカドーです。イトーヨーカドーのSCはイオンSCと異なり、自社IYを一等地に配し、テナントを立地の悪い場所にレイアウトします。
専門店は自力で奥まで集客しなければならず、この事が専門店の自立意識にも繋がっているのではと思います。逆にイオンSCはジャスコの立地が悪く、テナントには優位な場所を誘致しているので、ジャスコの坪効率がIYの2/3になっているのは否めない事実です。
今回のARIO北砂も同じく、入り口右側の一等地にIYが3層とも使用しており、専門店は苦戦すると見受けられます。そのためか、近隣の南砂の「スナモ」に主要専門店を押さえられているのか、まともな専門店がそんなに入っていません。ユニクロ、GAP、無印もなく、RIGHT-ON、ABC-MART、ムラサキスポーツ、レプシムローリーズファーム、LOFT程度で、IYとセットのアカチャンホンポとどこにでも出るビーチサウンド等で、最初から効率が合わないと判っていたのか、「スナモ」と同じ程度の店舗数であれば、専門店のレベルの高い「スナモ」に流れるのは明白です。
唯一評価できるのは、飲食店の数で、食品物販も含め44店は「スナモ」の比ではありません。
フードコートもメイン通路から隠れていて、食事中に通路を歩いている人からは見えない点はイオンSCと同様に評価されます。しかし、飲食店のレベルは著名な店は少なく、地元の店が多く出店している模様です。スタンダードなマクドナルド、ケンタッキー、ミスタードーナツ、サーティワン、スターバックス以外に、はなまるうどん、築地銀だこ、パスタのポポラーマくらいで、このSCに特筆な店は、神田グリル、回転寿司のとっぴー、マーべラスクリームくらいでしょうか?ただ、「スナモ」のフードコートや飲食店の少なさから言えば、食事メインならこちらの方がゆったりしているでしょうが、ファッションなどの物販はとても難しいものです。
近隣の休日の時間つぶしが関の山で、他のARIO蘇我、亀有に比べ、1ランク下に見えます。

2.LUMINE池袋
元メトロポリタンプラザとして営業していましたが、池袋ターミナルビルの吸収分割により、メトロポリタン内のショッピングセンターをLUMINE池袋に改称して、2010年4月1日にOPENしたのです。
いままでの総花的なターゲット戦略ではなく、ヤングレディスにターゲットを絞り、ファッション+雑貨店が101店、カフェ+レストランは33店、サービス+アメニティが18店の計152店舗の構成です。飲食店比率が20%を超えており、バランスが良いと思われます。
1店舗毎はそう大きなショップはありませんが、まとまったフロア構成で、いままでの入店客数ががらりと変わってきて、流石LUMINEと言えます。
B1FにはAMOS-STYLE、NATURAL-BEAUTY-BASIC、BODY-SHOP、ITS-DEMO、CESIL-MCBEE、1FにINDEX、COLLECT-POINT、2Fにビーチジョン、3Fにタータンショップヨーク、22OCTOBRE、タルボット、ブリリアントステージ、4Fにハーモニカ、B.L.U.E、THE-EMPORIUM、LA-PAX、5FにRIO、靴下屋、OFF-ON、6FにHMV、無印、ABC-MART、7Fにレストラン、新宿つな八、つばめグリル、ブラッスリー銀座ライオン、いなば和幸、ダッキーダック、西安餃子、築地玉寿司、8Fに神戸元町ドリア、それ以上10Fまで銀行や英会話等がランダムに入っています。
既存店も含めてのOPENと思われますが、フロアゾーニングはどうしようもないのですが、1フロア毎に横串があるような楽しさが伝わってきます。
レストラン、サービス+アメニティゾーンはノンエイジ対応ですが、ファッション+雑貨のターゲットをレディスヤングのボリュームゾーンに絞ったのは正解でしょう。
これから入れ替えも含めてのリニューアルが行われると思いますが、常に楽しく集客があるという基本は崩さないでいただきたいものです。

オーバープロダクト、オーバースペースの環境下、これからの日本の消費構造の変化を鑑み、「お客様目線で売場や商品を見て、手直しはプロの技」といった事を徹底しながら差別化する事は至難の業ですが、諦めずにチャレンジしていく事は永遠の課題でしょう。
これからも、特にリピーターを財産として捉え、ストアブランドとグッズブランドの違いを認識され、各ブランドの価値創造による消費者のライフスタイルの確立を目指すビジネスの重要性が増すものと考えます。これらの実行が、今後の発展に寄与できるものと確信しています。

2010.07.27
株式会社 オチマーケティングオフィス  生地 雅之



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