株式会社オチマーケティングオフィス 


<44>関西地区リサーチ情報P
 =神戸-三田+りんくうアウトレット


昨年末の12月22日(火)に神戸-三田とりんくうのアウトレットをリサーチしてきました。

1.神戸-三田プレミアムアウトレット
大阪からJRとバスで約1時間といった郊外立地にあり、
隣接にイオンモール神戸北SCがあり、相乗効果のあるエリアです。
昨年12月3日に三田のアウトレットが増床して、リニューアルしたものです。
全店185店であり、ファッション119店とグッズ32店で全体の82%を占め、生活趣味雑貨16店、
飲食17店と通常のOUTLETよりも飲食系が貧弱ですが、前述のイオンモール神戸北SCの
補完で対応出来ています。場所が広いので2層でなく、1層で広く取ってあります。

チェルシージャパンは東の御殿場、西の神戸-三田を軸にして三田で400億円を目標と
すると謡っていますが、とても無理な話であり、廻りに観光地のない三田と箱根や
富士五湖を持っている御殿場では環境が異なります。
御殿場は09年3月期には547億円を売り上げています。
ラグジュアリー系も増床時にOPENしていますが、現在の低価格化では維持
でき難いものと推測できます。軽井沢でさえラグジュアリーはほとんどガラガラです。
09年3月期で165億円から見て、増床すれば2年目の1店舗の売上は低下してきますので、
初年度は恐らく340億円が妥当と思われます。

増床エリアに入っているファッションショップは、アーバンリサーチ、ポールスミス、
バーニーズニューヨーク、ローリーズファーム、ジャーナルスタンダード、ダンヒル、
ガリアーノ、ディースクエアード、アルマーニファクトリーストア、ディーゼル、セオリー、
マックス&コー、ラルフローレンファクトリーストア、ゼ二ア等です。
増床エリアに新しく5店のレストランがありますが、これでは土日対応のお客様には
少ないと思います。
(増床していない既存エリアの詳細はHOME-PAGEのREPORT欄をご参照下さい)

2.りんくうプレミアムアウトレット
なんばから約30分のりんくうタウン駅から徒歩10分程度のアウトレットであり、今回は
増床している訳ではありません。
ここは2層であり、入り口にGAPの大型店が2Fを確保しています。
ゾーニングとしてはスクエアで判り易く、1店舗毎の大きさもそんなに差がある訳でも
ありませんので、見るのには疲れません。
三井アウトレットパーク入間に近いものがあります。

1Fの入り口のGAPの隣にフードコートがあり、暗いので圧迫感があります。また、2Fの奥に
レストランが5店しかなく、土日にはいつもお客様が溢れているのです。
売上は09年3月期で278億円であり、少し寂しく感じますが、もっとデベロッパーが力を
入れれば三田よりもPOWERがあるものと思われます。現在は勢いが感じられません。

全店153店であり、ファッション104店とグッズ28店で全体の86%を占め、生活趣味雑貨10店、
飲食10店と通常のOUTLETよりも飲食系が貧弱です
OUTLETの客層はSC客とは異なり、いままで百貨店で購入していたお客様が百貨店の
高価格にうんざりして、OUTLETに流れてきているBRAND嗜好者であり、
SCは著名BRANDを必要としていないお客様です。
当然SCよりOUTLETの方がお客様のエイジ巾が広く、独身のヤングか45歳以上の方が
多いのです。よって、食についてもデートで食べられる店や、大人のレストランが
必要であり、キッズが寝転がるようなフードコートは不要なのです。
ベビーカ―の比率を見ても歴然です。

オーバープロダクト、オーバースペースの環境下、これからの日本の消費構造の
変化を鑑み、「お客様目線で売場や商品を見て、手直しはプロの技」といった事を
徹底しながら差別化する
事は至難の業ですが、諦めずにチャレンジしていく事は永遠の課題でしょう。
これからも、特にリピーターを財産として捉え、ストアブランドとグッズブランドの違いを
認識され、各ブランドの価値創造による消費者のライフスタイルの確立を目指すビジネスの
重要性が増すものと考えます。
これらの実行が、今後の発展に寄与できるものと確信しています。

2010.04.26
株式会社 オチマーケティングオフィス  生地 雅之



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