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<41>関東地区リサーチ情報N
=アバクロ銀座店+エソラ+ニッケコルトンプラザ
1.アバクロ銀座店 12月17日(木)に銀座のアバクロをリサーチしてきました。 OPEN初日は銀座8丁目くらいまで並んでいたようですが、昨日昼過ぎはその1/3か 1/4くらいの列であり、15分程度の待ち時間で入れました。 1Fには吹き抜けの会談と中央フロアまでのエレベータがあり、店内はかなり暗い照明 テクニックを使用し、階段のみ明るい色を使っていました。
ONE-FLOORは27坪程度で、狭くて暗い売場ですが、熱気一杯の活力ある売場です。 1F入口に上半身裸の男性が数名立っており、BRANDの特長を表現しているようでした。 また、各フロアには販売員が音楽に合わせてリズムを刻んでおり、活力を感じる店です。 下層階はメンズで、上層階はレディスとなっており、各層の最上階にレジが配され、 商品を階段でレジまで持っていくというスタイルです。 各階段の壁にはクラッシックなイラストが描かれ、フロア数番号が見えないくらいであり、 自分が何階に居るのか判りませんでした。
商品的にはコンセプトもテイストもしっかりしており、雰囲気が出ているBRANDです。 ただ、価格が今の日本のトレンドから見ると2倍くらい高く感じられます。 T-SHIRTSで4800円クラス、無地POLO半袖やラガーシャツ長袖で7300円クラス、 ジーンズで23600円と高めです。 確かに天然繊維指向であり、縫製もGAPよりはましで、古着感覚のフェイド感や擦り 切れたスウェットシャツの衿ゴムなどは雰囲気も十分出ていますが、低価格トレンドの 中で果たしてどこまでお客様を繋ぎとめていけるのでしょうか? 来年の後半まで維持できれば、今後期待できるものと思われます。
立地も銀座松坂屋の前であり、H&Mやユニクロ、GAP、今後の松坂屋のGUCCI後の
FOREVER-21もファストファッションですが、敢えてこの立地で問題ないと思われます。 ただ、ONE-FLOORの面積が小さい事をどこまで逆手に取ったビジネスができるかに 掛かっていると思えます。ただ安いだけの低価格のコンセプト不在のファスト ファッションには食傷気味になってきている日本人には期待できるものと思われます。
2.エソラ(池袋) 12月7日(月)に池袋のエソラをリサーチしてきました。 東武のメトロポリタンプラザの前に位置しており、エチカから入れるのも便利です。 ONE-FLOORが狭く、エスカレータサイドがほぼ片面しかなく、銀座のマロニエゲートに 近い構造です。 ONE-FLOORに2〜3店舗程度であり、FASHION以外にもZOFF-PLUS、 カフェ・ドゥ・エソラ、オモキノクニヤ等があり、FASHIONの集積としては今一つPOWERが 感じられません。目的買いの消費行動者しか来館は難しいものと思われます。
銀座のブルックスクエアの様に、飲食メインで構成した方が良かったのと思われます。 周辺には手軽な居酒屋等は多く見受けられるのですが、少しオシャレな飲食が少ないと 思いますので、上層階のみではなく、全フロアにスィーツ、カフェ、レストランを配し、 女性客やデート客を狙った館の方が必要なエリアではないでしょうか?
3.ニッケコルトンプラザ(市川) 12月5日(土)に市川ニッケコルトンプラザをリサーチしてきました。 いままでイーストモールとセンターモールが分断されていたものを今年のリニューアル で、交流ができるように改善したものです。 過去から2F(1Fが駐車場)のセンターモールの一部分とウェストモールのみ吹き抜けで 環状導線であり、3Fは吹き抜け部分のみであり、その他は環状導線ではなく1WAYの 通路のため、一度見たところを駐車場への帰りにも通らなければなりません。
特に3FにはウェストモールにTOHO-CINEMAS、センターモールに福家書店、島村楽器が
並び、イーストモールのユニクロ、スポーツワールドまでのジョイント部分にKONAMIの
GAME-CENTERとフードコートがあり、メイン導線から丸見えの食事場所です。 2FにはウェストモールにはGAME-SATIONがあり、HUSH-HUSH、クレドソル、 AMOS-STYLE等が並び、センターモールにはレプシィムローリーズ、エルプラネット、 グリーンパークスフ―ワ、ポートランド等、一般的なSHOPです。グルメストリートにも フードコートと同等のレストランがあり、このクラスより少しグレードやイメージを 上げておく方が良かったのではと思います。 イーストモールにはトイザらス、ピーコックストアがあり、核のダイエーがあります。
このダイエーの食品フロアとピーコックストアの隣接は酷いもので、ピーコックストアとの 住み分けなど全く無頓着としか言いようのないものです。 ピーコックストアはギフト程度しか売れないと思われます。 出店すべきではなかったのではないでしょうか?
このSCは、近郊の顧客ターゲットのみではなく、駅から徒歩10分以上掛かる為、 車の来館も多いのですが、土日祝における道路の混雑は避けられなく、駐車場に 入るのに30分近く、近隣の道路で渋滞しています。裏道も同様であり疲れるSCです。 次回のリニューアルにはゾーニングと環状導線が課題でしょう。
オーバープロダクト、オーバースペースの環境下、これからの日本の消費構造の変化を 鑑み、「お客様目線で売場や商品を見て、手直しはプロの技」といった事を徹底しながら 差別化する事は至難の業ですが、諦めずにチャレンジしていく事は永遠の課題でしょう。 これからも、特にリピーターを財産として捉え、ストアブランドとグッズブランドの違いを 認識され、各ブランドの価値創造による消費者のライフスタイルの確立を目指す ビジネスの重要性が増すものと考えます。これらの実行が、今後の発展に寄与できる ものと確信しています。
2010.01.26
株式会社 オチマーケティングオフィス 生地 雅之
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