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<37>東関東地区リサーチ情報L
=ららぽーと新三郷+イオンモール千葉ニュータウン+ビッグホップ+ガーデンモール印西
9月15日(火)に埼玉県のららぽーと新三郷のプレオープンを、9月19日(土)に再度 ららぽーと新三郷を、9月26日(土)に再々度ららぽーと新三郷と千葉県のイオンモール 千葉ニュータウンと印西牧の原のビッグホップガーデンモール印西というアウトレットを リサーチしてきました。 近視眼的ですが、リサーチにて感じた内容を想いのままに記載してみます。 少々乱暴な点はご容赦願います。
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ららぽーと新三郷 (09/17
OPEN) 常磐道の新三郷で下道に入り、JR武蔵野線の新三郷駅の目の前に、ららシティの 核店舗として、中央にららぽーと新三郷、左右にイケア、コストコがあります。 ららぽーとより、コストコもイケアも目に見えて近く感じますが、実態はシャトルバスを 出しているくらい少し距離がありますので、2軒3軒とはしごするお客様は少ないものと 感じられます。 ららぽーと新三郷は2層約178店あり、FASHON+GOODSで103店(58%)、カルチャー+ アミューズメントで29店(17%)、飲食で45店(25%)と従来のパターンより飲食比率が 高めになっており、好感が持てます。また、喫煙ROOMもららぽーと船橋のリニューアル 増床以来、綺麗に出来ており、見た目にも良い環境です。 駐車場は2800台完備されており、船橋の約半分です。
テナントとしては、核店舗が充実しています。 1F屋外にIY食品館、H&M(1F+2F)、2Fに石丸電気があります。 屋内の1Fの入り口の両サイドにニトリ、ZARA、2Fの入り口両サイドに ROUND1(2〜4F)とAZULbymoussyがあり、1F奥に無印良品、LOFT、2F奥にユニクロ、 アカチャンホンポ、THOMAS-TOWNがあります。また、ペットショップもそれなりに 準備されています。 しかし、小規模テナントにはMANGOが参入しているのは別として、これといった SHOPがなく、また、ヤングカジュアルはヤングカジュアル、子供服は子供服での集積に なっていますので、他のエリアへの買い回りについては、課題を残しています。
電車でのお客様は駅側から屋外のエリアに入りますので、雨には弱い作りです。 車でのお客様はコストコ側から入館してきますので、バランスは取れています。 但し、駅側の2Fがメイン入り口なのか、1Fの駐車場側からの入り口(ニトリの横)が メインと考えているのかが、不透明な状況に映ります。インフォメーションは 1F駐車場入り口前に立地しているのですが、駅からは2Fから入りやすく、 1Fに本来上層階にある書籍やRECORD屋なども張り付いているのです。
エイジを上げようとしてミセスブランドショップや京王百貨店のサテライト的な ショップも導入していますが、売れているのは食品中心の模様です。 衣料品といえば、ワゴン品やセールのハンガー商品が3000円〜5000円中心であり、 三越のイオン羽生SCのサテライトショップと同様の位置付けであり、衣料品は不要と 思われます。 エイジを上げるのは賛成ですが、それなりのFASHON-TASTEを持った感度の良い お客様が、SCに来店されている事を忘れてはいけないのではないでしょうか?
IY食品館の位置については、IYにとってはBESTでしょうが、FASHONテナントに とっては、入り口で食品を買ったら、そのスーパー袋を持ったままで、 中に入って来にくいものです。 飲食については、1Fには駅側の屋外にSTATION-KITCHENと称したフードコートがあり、 その2Fにレストラン、2Fの屋内にMISATO-KITCHENと称したフードコートがあります。 中の店舗はそれなりの特長のある店が出店しているのですが、食べる場所がチープで、 折角の特長ある店の味が悪く感じます。これはあみプレミアムアウトレットの フードコートの三田屋本店と同様で、味は新宿高島屋の三田屋本店と同じものと 思いますが、食べる環境の差でこれほどチープに感じるものなのかと痛感しました。 僅かの価格を下げた以上に失望感が漂うのはいかがでしょうか?
このマーケットはすぐ隣にイオン越谷レイクタウンSCが隣接しており、 底の浅い商圏でのお客様の奪い合いにしか見えなく、どちらかがイベントすれば お客様が集まり、反対側はがらがらといった状態が続きそうです。 特に都心の発展の特長は中心から西に、それから時計回りに回転し、一巡すると もう1層外にシフトして同様に回って行くと言われています。ということは、お客様の 購買行動は都心に向かい、時計と逆廻りに憧れて行動するので、浦和側からは 余り集客が見込めなく、松戸側からのお客様くらいがメインターゲットでしょう。
初年度の売上は駐車場台数のららぽーと船橋との比較からすると300億円が 出てきますが、SCバッティングのないららぽーと船橋と、イオン越谷レイクタウンSCと 過酷なシェア争いをせざるを得ないららぽーと新三郷の比較は難しく、H&M次第と 言えますが、200億円に届くか否かと推測します。
2)イオンモール千葉ニュータウン 北総線の千葉ニュータウン中央駅から信号1つ程度の場所(徒歩5分)にあり、 駐車場4000台、駐輪場2100台が完備されていて、中央に専門店モール、左右に JUSCO、シネマ+スポーツ棟があります。日本橋から1時間弱掛かりますので、 地元客中心は明白です。 専門店の数はFASHON+GOODSで74店(61%)、サービスで14店(12%)、飲食33店(27%)で、 計121店(JUSCO内29店のテナントを除く)であり、面積の割には少ない店舗数です。 FASHONでは、GAP、COMME
CA
ISM、ローラアシュレィ、無印良品、RIGHT-ON,、 ABC-MART、オペーク等が中心です。 通常パターンで、1Fにレストラン、3Fにフードコートをメイン導線から見せないのは OKです。ペットシティも完備しており、バランスはそこそこですが、館内は少し薄暗く 感じる状況であり、照明に問題があります。
3)ビッグホップ ガーデンモール印西(OPEN-2周年)
駅は北総線の千葉ニュータウン中央の一つ先の印西牧の原駅に隣接しており、近くにはJOYFUL本田、
ドラッグストアのカワチ等の大型ディスカウンターが並んでおり、 その横にこのアウトレットが存在しているのです。
見た目にも素晴らしい施設であり、エーゲ海をモチーフにしたと感じられる建物や南米を イメージとした建物があり、工夫を凝らしたものです。 アミューズメントには観覧車があり、季節、曜日によって稼動させていると言った 変則運営で、それ以外にROUND-1があります。 店舗数はOPEN当初150店舗程度あったものが、現在約45店が抜けており、閑散とした 状況でした。閉店店舗はパーテーションで壁を作り、活きている店舗のVPで 誤魔化しています。
お客様もまばらで、ショッピングではなく時間つぶし程度に来ている状況であり、 ほとんど誰もショッピングバッグを持っていない状態です。 フードコートもまばらな営業であり、イベントちらしも(出演者、時間、場所、内容など)も 変更になる場合もあるとの告知です。駐車場も2800台も完備されていますが、無用です。
店舗はアウトレットJ、エディバウアー、ABC-MART、PAL-GROUP、PIKO、RIGHT-ON、 TAKAQ等であり、活気が感じられなく、今年の3月8日に閉鎖された アウトレットコンサート長柄になるのを待っているような状況と映りました。 是非ともデベロッパーもテナントも一丸となって、この苦境を打破され、活性化した アウトレットになるように祈念するばかりです。
オーバープロダクト、オーバースペースの環境下、これからの日本の消費構造の 変化を鑑み、「お客様目線で売場や商品を見て、手直しはプロの技」といった事を 徹底しながら差別化する事は至難の業ですが、諦めずにチャレンジしていく事は 永遠の課題でしょう。 これからも、特にリピーターを財産として捉え、ストアブランドとグッズブランドの違いを 認識され、各ブランドの価値創造による消費者のライフスタイルの確立を目指す ビジネスの重要性が増すものと考えます。 これらの実行が、今後の発展に寄与できるものと確信しています。
2009.09.30 株式会社 オチマーケティングオフィス 生地 雅之
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