株式会社オチマーケティングオフィス 


<35>関西地区リサーチ情報J
=神戸三田プレミアムアウトレット+イオンモール神戸北+イオン高の原SC+イオンモール橿原アルル


7月1日(火)2日(水)に関西地区のアウトレットとショッピングセンターをリサーチして
きました。近視眼的ですが、リサーチにて感じた内容を想いのままに記載してみます。
少々乱暴な点はご容赦願います。

1) 神戸三田プレミアムアウトレット (07/07 OPEN)
JR三田駅からバスで約20分の位置にあり、周りは未開発状態です。
隣に06年11月にOPENしましたイオンモール神戸北があり、相乗効果としては有効です。
現在100店舗弱の1層の三角形状態のアウトレットであり、本年冬に約倍に増床予定で
あり、当面順調な滑り出しのようです。
SHOPはおきまりの「COACH」「バナナリパブリック」「ローラアシュレィ」「フランフラン」
「ナイキ」「JUN」「アンタイトル」「GAP」「ビームス」に加え、「エトロ」「ロロピアーナ」
「ヴァレンティノ」「ダックス」「フェラガモ」「ハロッズ」等に、鞄の「エース」「ツゥミ」
カメラの「ニコン」家具の「アクタス」なども出店しています。
また、三越が小さいSHOPを出店しており、店名が「NEWYORK-RUNNAWAY」と
三越婦人平場のネーミングをそのまま使用しています。OPEN時はマスコミに
ネーミングの影響を取り立たされていました。商品内容は買取の残品処分場であり、
メンズの著名デザイナーのBRANDがそのまま展開され、10万円程度のジャケットが
38000円くらいで処分されていましたが、誰も手を付けないあり様で、店全体も閑散と
していました。
百貨店の在庫処分場にするならば、ディリーユース性の強い目玉商品を核として、
その周辺に百貨店店頭残商品を散りばめる事が必要です。
食においては、地元の「三田屋本店」を始め、それなりの8店舗がFOOD-GALLERYを
構成し、スタバが単独である程度で、従来のGMSのようなFOOD-COURTが無いのが
救いです。
GMSのようなFOOD-COURTは隣のイオンにあり、小さい子供のいるお客様はそちらにて
対応できているので、質がある程度保てているのでしょう。
ただ、大阪や神戸の中心地から不便な場所であり、近隣の住民にとっては便利な
エリアと言えます。但し、今後も地域以外のお客様を取り込むのは難しいアウトレットと
言えます。
例えば、帰りのバス乗り場の表記もほとんどなく、地元客以外には、判り難い状態です。
交通費も大阪からのJR+バスで990円となっています。

2)イオンモール神戸北 (06/11 OPEN)
場所は上記三田アウトレットの横にあり、道路の上にブリッジがかかっていますので、
お互いの往来は5分程度です。但し、アーケード(屋根)が付けられていないので、
雨の日には往来が少ないのではと思われます。
核テナントとして、GMSは「JUSCO」であり、専門店は、「ミドリ電化」「無印良品」
「喜久屋書店」「RIGHT-ON」「ユニクロ」「コムサ・イズム」「島村楽器」
「URBAN-SQUARE」です。
但し、出店SHOPは取り立てて際立ったものもなく、いつもの「BEACH-SOUND」「IKKA」
「NUSTEP」「GLOBAL-WORK」「PASSPORT」「ラロトンダ」等です。
レストランは1Fに専門店を11店、スィ―ツやカフェを6店、2Fに大型ブッフェを2店、
カフェを1店とハーゲンダッツを、3FにFOOD-COURTを外導線に配し、メイン導線から
見え難い環境にした事は評価に値します。
フロアガイドも表面にFASHON等を、裏面にグルメガイドを入れ、食には各店の一押しの
商品の写真を掲載しているので、効率も良いと見受けられます。
これからのSCやアウトレットは食の充実なくては成り立ちません。
ここの交通環境は前述の三田アウトレットと同様です。

3)イオン高の原SC
奈良の大和西大寺より京都近鉄線にて5分の高の原駅傍にあり、店舗は3層ですが、
便利でこじんまりとしたSCです。1F、5Fと屋上は駐車場であり、狭い面積を有効利用
しています。
GMSの核テナントはSATYであり、専門店の核テナントは「未来屋書店」「ワーナーシネマ」
くらいで、その他「コムサ・イズム」「RIGHT-ON」「ASBEE」「GLOBAL-WORK」程度です。
駅側から2F へ入ると手前からFASHON-SHOPで、突き当りがレストラン、左折して
SATYとなり、3Fではレストランの位置に「コムサ・イズム」や「モンベル」などの
中型SHOPがあり、4FになるとFOOD-COURTになっており、全体のゾーニングが
判りやすくなっています。
ただ、現在勝組の筆頭に挙げられる「ユニクロ」が入っていないのは問題ではない
でしょうか?近くに路面店があるかは判りませんが、2店あっても問題ではないでしょう。

4)イオンモール橿原アルル(04/04/01 OPEN=08増床・RENEWAL)
奈良の大和八木よりバスで20分程度の郊外にあり、車かバスと言った交通機関が無いと
とても集客は見込めない立地です。
しかし、このエリアでは250店にも届こうという店舗数の多さと、1STOP-SHOPPNG出来る
メリットから、多くの来客があるようです。
3層であり、ノース・モールとサウス・モールの中央にGMS核テナントのJUSCOが2Fまで
あり、3FはSPORT-AUTHORITYとRIGHT-ONを軸としたSHOPが散りばめられています。
ノース・モールの核テナントは1Fが「ユニクロ」「無印良品」で、2Fが「VIVRE」、3Fが
「喜久屋書店」「PET-CITY」となっています。
また、サウス・モールの核テナントは、ワールドの「FLAXUS」、2Fが「トイザらス」、
3Fが「TOHO-CINEMAS」です。
問題はコの字型になっている中央ですが、4Fの高さの駐車場になっており、
ノース・モールからサウス・モールに行くのに、JUSCOを通ると遠回りであり、近道すれば
駐車場の中を通る仕組みになっているのです。
これではSCのメイン客であるNEW-FAMILYの人達にとって、子供達にこのような危険な
場所を歩かせなければ反対側に行けない構造では不便で、危険でしようが無いのです。
やはり、イオン越谷SCや西宮GARDENSの円形型を設計すべきでしょう。
増床時には、コの字型の空いている左部分を増床して、回遊性を高めるべきでしょう。

オーバープロダクト、オーバースペースの環境下、これからの日本の消費構造の変化を
鑑み、「お客様目線で売場や商品を見て、手直しはプロの技」といった事を徹底しながら
差別化する事は至難の業ですが、諦めずにチャレンジしていく事は永遠の課題でしょう。
これからも、特にリピーターを財産として捉え、ストアブランドとグッズブランドの違いを
認識され、各ブランドの価値創造による消費者のライフスタイルの確立を目指す
ビジネスの重要性が増すものと考えます。
これらの実行が、今後の発展に寄与できるものと確信しています。

2009.07.27
株式会社 オチマーケティングオフィス  生地 雅之



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