株式会社オチマーケティングオフィス 


<3>GMS衣料品売り場の理想的な売場構成

現在のGMS衣料品売り場の現状は、平場がメインであり、
アイテム展開平場をメインとしています。
一部ブランドのコーナーを柱巻にて展開はしているものの、
アイテム展開に坪効率の高さからはなかなか脱却できていないのです。
つまり、視点が作り手、売り手側に現存しているので、
お客様からの視点に立った売り場レイアウト・什器レイアウトや商品構成・商品開発が
出来ていないと思われます。

現在のお客様はコトを探しているのであって、モノを探しているのではないのです。
モノは家にありあまるほど持っています。
新しくウォーキングを始めたり、参観日に行く事になったりするコトにより、
必然的にモノが必要となってきているのです。
当然、売り場を歩いていて、ヴィジュアル提案されることにより、
コトの創造が始まる事も多々あるのです。

このような消費者心理の中で、必然や必要なコトを需要に結び付ける売場構築とは
どのようなものでしょうか?
それは、常にコトの提案のある売り場であります。
コトの提案できる売り場とは、テイスト編集売り場であり、ウォーキングやテニスなど、
その時期に旬な話題のテーマを表現できる売り場を前面に設定し、
その後ろにテイスト表現のできるブランドをレイアウトする事が重要です。

では何故ブランドかと言うと、日本人の消費購買の原点はブランド志向であり、
ブランドに対する商品への安心感はかなり高いのです。
モノ余りの時代に、モノをセレクトする第一要因です。
現在の売り場にある記号型ブランド(ただネームが付いているだけで、
そのネームを変更しても売上はほとんど変わらない程度の位置付け)では、
結局ストアロイヤルティの高さ・低さのみで、
商品の価値観を判断されています。(企業が利益を上げているかいないかではない)
要はブランドを一から育て上げるか、消費者認知の高いブランドを導入するかの
二者択一です。

現在のGMSではブランドを育てようと真剣に考えて、実践できている企業は
皆無と言っても過言ではありません。
作っては半年一年で中止し、じっくりと試行錯誤しながらでも、
熟成させる気概が感じられません。
売上以外に何が悪かったのかを分析せずに短絡的に、
終焉させると言う結論を簡単に出してしまっています。
アパレルサイドのブランド構築は長年かけて試行錯誤しながらも、
消費者認知を高めて成功に導こうと苦慮しています。
それでも、成功するブランドは稀有と言えます。
但し、成功させた後は、一気に利益を生み出す根幹となっています。

このようなブランド育成をベースにし、
それまでの間は著名ブランドの導入と併用させながら、
テイスト表現を中心に、売場構築を再編させてみてください。
又、一気にアイテム展開からテイスト編集売場に変更させるのではなく、
テイスト編集売場の運営方法を熟知するまで、
効率のバランスを落とさない事を確認しながら、徐々にバランス変更をすべきです。

現場の実力と理想の設定を明確にして、そのギャップをどのような方向で変更させて
いくか、現場と本部とのコミュニケーションバランスが最も重要になってきます。

今後の小売業の衣料品売り場の店頭活性化・ブランド開発・商品開発のサポートを
致します。

2006.9.18
株式会社 オチマーケティングオフィス  生地 雅之


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