株式会社オチマーケティングオフィス 


<2>GMS衣料品売り場の方向性

現在のGMSの衣料品売り場の現状は、ただ衣料品を並べていると言っても
過言ではない程、売場構築に大きな問題を抱えています。
ほとんどのGMSがアイテム展開を実施し、
一部ブランドのコーナー展開を織り込んではいるものの、
そう簡単には売場構築ができているとは言えない状況です。
つまり、わくわくどきどき感を与えてくれる売場がないのです。

わくわくどきどき感とは、「あの店に行ってみたい」「あの売場に行ってみたい」と言う
イメージが、お客様に植え付いている事が重要なポイントです。
では、そのような売場はどうして作る事ができるのでしょうか?
それは常に売場からの情報発信力の有無を問われているのです。

その中で一番大事な事は、テイスト表現のある売場であり、
このブランドは「何をコンセプトにしたブランドであるのか?」
「どういうライフスタイルの人を対象にしているのか?」
今シーズンは「何をテーマに訴求しているのか?」
「どういうコーディネィトを提案しているのか?」等が明確に売場より発信されており、
説明なくとも見た目で十分に伝わってくるようになっているのかが重要です。

現状のGMSの衣料品売り場にはお客様にわくわくどきどき感を十分に訴求している
売場は皆無と言っても過言ではありません。
商品量の多さといい、なにを訴求しているのか判らない売場の如何に多い事でしょうか?
売場は引き算MD(不要な商品を削除)から始まるのは明白です。
最近GMSもNB風コーナー・ブランドやSCのセレクトショップの真似事での
SPA風ショップ・ブランドを立ち上げてきたりして、
PBをそれ風に見せようとしているのが伝わってきます。

しかし、まだまだ売場構築力や売場運営力、及び商品構成力に問題が山積しています。
つまり、売場のヴィジョン(売場はこうありたい)を明確に設定できていないのです。
もちろんストアアイデンティティの低さも重要な課題ですが、
それ以前に現場でやるべき事が余りにもなされていない点が多々見受けられます。

まずは売場のヴィジョンを明確にし、現状とのギャップを認識し、
そのギャップを自分たちに実力でどの様に改革・改善をして行くのかを設定し、
現場で実行しながら、検証を重ねて、改良をして行く事を提案致します。
経営層の問題も多々抱えているとは思いますが、現場で経費の掛からない方法で
まず実行していく事が望ましいと考えます。

また、販売員の教育についてはまず接客指導から入り、
自分たちがこういった対応をされたら、「次回も行ってみたい」と思われる接客を
全員参加でOJTする必要があります。
商品知識などはその後でも問題ありません。
GMSにそんなに高い商品知識を期待しているお客様は少なくいので、
逆に心地よい接客の方がその個人の販売員のリピーターに繋がります。
企業ですから、店のお客様であるのは当然ですが、
接客と言うものは個人の対応力に依存している度合いが高いのです。

よって、売場構築と売場運営と商品構成の上に、テイスト別グルーピングの手法や
販売員教育は立脚しているもので、
今後のGMS衣料品売場の活性化に寄与するものと考えられます。

我々は、今後のGMS衣料品売場の復活をサポート致します。

2006.7.13
株式会社 オチマーケティングオフィス  生地 雅之


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