<13>最近の百貨店リニューアルとSC新店オープン事情@
最近、都心の百貨店リニューアルと銀座地区におけるSC新店オープンには、目を 見張るバブル状態です。近視眼的ですが、リニューアルやオープンにて感じた内容を 想いのままに記載してみます。少々乱暴な点はご容赦願います。
1.伊勢丹メンズ館・リニューアル 新宿地区は高島屋の全館リニューアルが話題になり、その後伊勢丹のメンズ館の リニューアルが目を引き、最近は特にメンズと食品の見直しがメーンとなっています。 伊勢丹メンズ館のリニューアルはかなりマニアックであり、マスコミもどう評価して 良いか判断しにくい状況です。 こだわりの売場の評価は高いのですが、特に8Fのラルフの反対側のカメラやカフェは 価格が高すぎるとの声もヤングサラリーマンからも続出です。 但し、2Fから6Fへ持ち上げたPAUL-SMITH(2Fでは年商25億との事)はOPEN後、 また伸びているとの事です。 しかし、売れているブランドと売れていないブランドの格差がかなり付いているように 見受けられます。 但し、伊勢丹のすごい点は、リニューアルOPEN時に売場は暗く、昔のパリの ギャラリーラファィエットのように、売場を暗くして、VP等にSPOT-LIGHTを 浴びせて浮き上がらせて良く見せる手法を取っており、当時の伊勢丹、その後の大丸 (東京、梅田)もコピーして、売上を下げたものでした。 しかし、今回も伊勢丹は売場を暗くしましたが、お客様の不満を感じたのか3日後に 照度UPさせ、明るい売場に戻したのです。この対応(リニューアル後に反省、 改善が3ヶ月以内に実施)ができる百貨店は伊勢丹本店と阪急本店しかありません。 日本人の消費者は暗い売場より、明るい売リ場を好み、VP等はそれ以上明るく しないと売れません。 カルフールの食品売り場も同様で、良い新鮮な生鮮食品が鮮度無く見えて、 売上苦戦した事と同様です。 しかし、このようなチャレンジを継続している百貨店は、メーカー任せの場所貸しの 旧態依然の取引慣習に依存している百貨店との差は歴然と出てきています。 まだ、百貨店業界において、経常利益率10%以上と言うエクセレントカンパニーは 出てきていませんが、このようなトライ&エラーを継続していると可能性はあります。
2.銀座マロニエゲート・オープン マロニエゲートについては、フロアのレイアウトが悪く、エスカレータサイドが片側 通行では、消費者があんな小さな店の各フロア全部を見る事はオープン時のみと 思われ、今後は目的の店を目当てに行く顧客に落ち着いてくるものと推測できます。 エレベータの位置が悪く、ベルビア館のように隅に寄せて、エスカレータ廻りの 回遊性を作るべきであったと思います。 よって、下層階のSHOPは指名・目的買いのみとなり易いのです。 また、SHOPのターゲットエイジも若く、ベルビア館に比べ、落ち着いての買い物は 難しいでしょう。 TOKYU-HANDSと上層階のレストランでしばらく入店客は維持できるでしょうが、 ベルビア館のレストランの方が、落ち着いた店を揃えており、エイジが高いお客様に とってはこちらの方が落ち着くでしょう。 プランタン銀座のリニュアール(ヤング化)や丸井の進出に向けて、銀座にヤングが 集まると意識しての先行投資と思われますが、果たして持つか?
これからも、特にリピーターを財産として捉え、ストアブランドやグッズブランドの価値創造 による消費者のライフスタイルの確立を目指すビジネスの重要性が増すものと考えます。 これらの実行が、皆様の企業の発展に寄与できるものと確信しています。
2007.10.01
株式会社 オチマーケティングオフィス 生地 雅之
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