株式会社オチマーケティングオフィス 


<120>百貨店やGMSの施策を見て


小売・流通業界の活性化に向けて、是非とも顧客ニーズ(顕在需要のみでなく潜在需要も)にフィットするモノ・コトを提案できるビジネスフレームを構築できる経営者の育成を望むものです。実践はやってみないと判らない事もあるのですが、やる前に判る事は事前に抑えておくべきです。
また、百貨店は「お客様の立場に立って新百貨店モデルの構築を」やGMSは業態改革と称して「各店発注」や「販売員付」等の言葉が出てきていますが、新しい事が本当にお客様に必要なのか?またその新しい百貨店モデルの定義も明確に表現されていなく、社内も何に向かって行動すればよいのか判っていないのではないでしょうか?ここにまず課題はあると考えられます、

そごう・西武はお客様からの必要商品のアイデアを求めたり、メーカーに新商品の開発で売り先に悩んでいる会社からの新商品の募集を求めたりしており、足を使わないでアイデアの収集はイーコマース時代には適したシステムと評価されます。但し、申し込んでバイヤーやマーチャンダイザーの1次審査、2次審査、最終審査と1カ月以内に決定すると記載されていますが、選ぶ側の審美眼が養われているなら良いのですが、果たしていかがなものでしょうか?その審美眼が養われているのならお客様の顔が直接見えるリアル店舗の売上が低迷しているのはどう解釈すればよいのでしょうか?

新商品の発屈や新コラボについては足で稼いでいる伊勢丹新宿本店に優るところはありませんが、果たして公募で自社、自店に必要な新商品が開発でき、新コラボが話題作りのみでなく、売上や利益に貢献できるビジネスモデルに構築できるのでしょうか?新企画や新コラボが話題作りに貢献している事は否めない事実であり、集客にも寄与していると思われますが、その集客で売上と利益がどのくらい伸びているのでしょうか?検証はできているのでしょうか?売場に集客出来たお客様に必要なあるいは必欲品のMDが構築されている事(本来のMD)が前提ですが、はなはだ疑問です。その商品のメーカーとの取引条件が買取なのか、委託・消化なのかはこれからでしょうが、委託・消化で慣れている百貨店が買取で受けた場合は売り切る事に慣れていない百貨店では在庫の山になるのではないでしょうか?

GMSにおいても。オムニセブンを実施していますセブン&アイホールディングスも、お家騒動で社内が混乱しているのか、今春にセットプルミエのゴルチエのトレンチが同じ品番で1枚の写真の下にそごう・西武のセール価格とイトーヨーカドーでのセール価格が異なって表示していたのが1週間程度後に合わせられて修正されていましたが、また先々週も同様の事例がそごう・西武のNET(eデパート)とIYのNETで同じ品番のべストの価格で発生しています。このような事例が幾度も発生する事はオムニセブンの方向性は正しくとも社内オペレーション全体を構築できる人材が育成できていないのです。パーツのプロはいらっしゃるとは思うのですが、、
健全なる企業経営に早急に改善・改革できる事を祈念致します。

2016.06.27
株式会社 オチマーケティングオフィス  生地 雅之


Copyright@2016 Ochi Marketing Office.All Rights Reserved.