|
<117>H2Oリテイリングの食品事業持株会社
表記の件、本年1月28日に発表され、3月24日に概要を広報より発表されましたが、素晴らしい経営施策です。昨今大手小売業は金融の安定感から、M&AやTOBによる子会社化や持ち分法の会社として傘下に収めるも、経営者育成不足により、再生が困難な状況も多々見受けられます。
セブン&アイホールディングスは数年前にニッセンを子会社化したものの、再生の手を打っているとは思えない燦々たる状況が続いており、他の小売業も事業の多角化に際し、どこまで親会社が経営に口を出せば良いかを模索する親会社の幹部役員のコメントも耳にしたりしています。
今回のH2Oリテイリングの食品事業のみの中間持株会社の設立は同業種の経営を一元管理できうる手法であり、本当の経営者が少ない環境においては、目が行きとどく方法です。ある小売業に本業以外の関連事業会社を中間持株会社を作り、両者のTOPをHDSと区分けして、本業との利益予算比、利益率等の競争をさせる方向を提言したものの、実現できていません。
このように経営者を育成することは難しいので、管理手法による構築を求める手法が効果的と思われます。TOPが現場に口出すのは、経営が出来ているならまだ良いのですが、経営結果を出せないまま、口を出しやすい現場に私事を出すと混乱が生じ、結果上手くいかないものです。
小職の2~3月度のブログ「生地雅之のお客様目線」にも記載の通り、「戦え、現場1+2」を読んで頂くとお分かり頂けるものと考えます。
小売・流通業界の活性化に向けて、是非とも顧客ニーズ(顕在需要のみでなく潜在需要も)にフィットするモノ・コトを提案できるビジネスフレームを構築できる経営者の育成を望むものです。実践はやってみないと判らない事もあるのですが、やる前に判る事は事前に抑えておくべきです。
健全なる企業経営に早急に改善・改革できる事を祈念致します。
2016.03.28
株式会社 オチマーケティングオフィス 生地 雅之
|