株式会社オチマーケティングオフィス 


<113>経営者とは?


セブン&アイグループが数年前にニッセンを傘下に収め、最近ではJFRが千趣会を持ち分法の子会社化に推移していますが、各カタログ通販会社の再生は難しいようです。
ニッセンは参加に入るまでとその後も併せて3年くらい前年比85~90%を推移しており、セブン&アイグループとしても副社長を送り込んだきり、手をこまねいているようにも見受けられます。千趣会もしかりですが、JFRの通販事業会社が苦戦を強いられていたにも関わらず、千趣会のノウハウをとの事での事業参加でしたが、千趣会自体もグループに入って即に低迷の兆しが見えてきています。最近になって、常務を次期社長に昇格させる人事異動が発表されましたが、、

資金力のある企業が自社事業のノウハウのために、プロの会社に手を付ける事はやぶさかではありませんが、プロの企業がプロではなくなってきているのです。
理由は、経営と現場が違うということに経営者が気づいていないのです。
百貨店業界でいえば、三越伊勢丹くらいが現場のたたき上げのTOPが経営の勉強をされてしっかりした経営を本業で実施されていますが、それ以外の百貨店は一般的に非営業出身の方や、営業経験の浅い方、あるいは親会社(鉄道等)からの異動された方等も多いのが実情で、経営と現場を分けて利益を上げています。アパレルもしかりですが、、

要はTOPとは経営者なのですから、そのポジションに着いた段階から株主、取締役、従業員、お客様、仕入先等のために利益を上げなければならないのです。
現場(売場、商品等)の重要性も当然ですが、まずは利益追求をしなければ従業員にも給料も払えないのです。いくら従業員が会社を好きだからといっても、半分の給料で働けと言っても続くものではないのです。
まずは利益追求なのです。それがある程度満足出来るバーまでは他の仕事は部下に任せる事が必要不可欠です。当然部下を育てる事にもつながるのですが、、
経営者はまず自分のポジションの仕事を認識し、その利益目標値をクリアできるまではその枠内での経営という業務を徹底実行することなのです。

上記2社のカタログ通販事業会社は経営よりも「良い商品を、良い紙面を」がメインに考えられていたのでしょうか?良い商品が必ずとも売れるとは限らないのです。
要は誰にとって、良い商品なのか?それを必要とするお客様はどこに存在するのか?そのお客様へのお伝えする方法は的確なのか?等のマーケティングがあってこそビジネスが成り立つのです。判っているとの「声が聞こえてきそうですが、結果が出ていないのは判っていないと同義語ではないでしょうか?

経営者はまず、現場にそれの目標値に到達していなければ、「何故到達していないのか?どうしたら達成できるのか?いつまでに誰がどのくらい実行するのか?」等の追求をし、現場にアイデアを出させ、成功の可能性の高い方法から実行させる事が必要なのです。勿論現場へのアドバイスも出来れば最高ですが、あくまでも現場が決定し、責任も取ると言った視点での施策であるべきなのです。最終経営責任はTOPにあるとしても、ビジネスモデルの設定、実行は現場に持たせなければ成長はあり得ないのです。

売場以外にはヒントとマネーが落ちていないのですから、常に現場でヒントや気付きを見つける知力と、それを拾う体力を身につける事が企業を維持向上させていく重要なファクターなのです。経営者としてはそれを俯瞰してマーケットを直視し、企業として正しい選択や実行がなされているかを管理することが必須条件なのです。マーケットはブルーオーシャンなのですから、マーケティング力とマーチャンダイジング力、それをお客様にお伝えするプロモーション力、そしてマネージメント力のバランスの良い構築が必要です。
健全なる企業経営に早急に改善・改革できる事を祈念致します。

2015.11.30
株式会社 オチマーケティングオフィス  生地 雅之


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