株式会社オチマーケティングオフィス 


<110>ライフスタイル型売場


表題については、各社提案していますが、自分の本業のカテゴリーに少し雑貨やカフェを併設いた程度でライフスタイル型と呼んでいるケースが多々見受けられます。
本当にそれがライフスタイル型と言えるのでしょうか?

本来ならテイストを揃え、衣・食・住を並列で揃え、1人のお客様が自分の好みで自分の部屋を揃えているかのように、寛ぎ感や好みの中で落ち着く環境構築が出来る売場を編集し、提案すべきではないでしょうか?

例えばトラッド好きのお客様なら、ラルフローレンのウェアを見ながら、ラルフローレンのファーニチュアの売場を楽しみ、ラルフローレンのイメージのあるカフェでのティタイムを過ごす事で気持ち良く売場を見回り、自分の生活に適していて、不足しているアイテムの購入をして頂く事が重要なのです。

しかし、食については、イタリアンテイストが好きでも、1年365日パスタを食べている人はいないのですから、食品売場はその時の旬な食テイストで、例えば和食、中華、フレンチ、イタリアン等に区分し、ライフスタイル型にて衣・住と寛ぎ空間で時間消費をして頂き、家に帰っての食はその区分された売場で今日はフレンチ等の区分されたエリアでの買い回りを促進し、その中にお酒や主食等もフレンチにかかわる食材をすべて包含した売場を構築すべきではないでしょうか?

但し、ワインなどその区分に入らないカリフォルニアワイン等はワインショップを構築し、ニッチ名アイテムのみまとめる売場にするか、全世界のワインを集めたワインショップを構築し、一物二箇所の展開も面白いと思われます。

しかし、ブランド名が同じでもテイストが異なる展開をしているブランドもあり、それを並べるのみでは本当のテイスト軸が揃わないので、注意が必要なのです。例えばZARAとZARA・HOMEは全くテイストが異なり、ZARAのウェアを着る人はZARA・HOMEのような部屋で生活していないと推測できるのです。ビジネスになるからテイストが異なってもZARAの冠を付けたものと推測できます。

このような考え方の売場こそが、本来のライフスタイル型売場と言えるのです。まずはテイスト軸の統一が前提です。絞り込んだコンセプトの売場こそ、結果として幅広い顧客に支持される可能性を秘めているのです。1人のお客様をターゲット設定し、そのお客様が生活を楽しめる環境とは何かを考え、それに向けたブランド開発または編集売場の構築が必要不可欠の時代に来ていると思われます。各小売業やメーカーもコラボを含めた新しい提案が望まれています。今こそ全体のディレクター(テイスト軸の衣・食・住を構築できる)が必要な時代なのです。

売場以外にはヒントとマネーが落ちていないのですから、常に現場でヒントや気付きを見つける知力と、それを拾う体力を身につける事が企業を維持向上させていく重要なファクターなのです。マーケットはブルーオーシャンなのですから、マーケティング力とマーチャンダイジング力、そしてマネージメント力のバランスの良い構築が必要です。
健全なる企業経営に早急に改善・改革できる事を祈念致します。

2015.08.31
株式会社 オチマーケティングオフィス  生地 雅之


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