株式会社オチマーケティングオフィス 


<106>百貨店オムニチャネルの阻害原因


小売・流通業界の活性化に向けて、オムニチャネルは必須条件ですが、中々進行していない理由は人的課題がメインなのです。営業感覚が必要な小売業において、ITは営業の現場主義の人間からは遠い存在と位置付けられ、すべてIT業界の人間に丸投げされている事が多いのです。

しかし、お客様と小売業の接点を磨くのはすべて営業感覚であり、それを理解されての売場(リアル&バーチャルとも)構築が必要なので、IT手法のインフラ整備をメインとしての作業が多く派生しているので、オムニチャネルのヴィジョン構築が先であり、その後に現状を把握する事により、直線でそれを繋げれば答えは出てくるのです。

例えば、在庫の共有など言葉に出せるメリット等が独り歩きし、最初のWEBサイトでのビジネスの完結をまずトライし、ビジネスがうまく展開してからの在庫共有化への道を歩く事から始めるべきではないでしょうか?要は枝葉末節に惑わされて、本来のあるべき姿が見えていないのです。

ビジネスはどうあるべきか、常にお客様の必要とされるモノやコトをストレートにお客様にお届けできるようにすべきなのです。その手法がお店であれ、カタログであれ、ネットであれ同じ事なのです。シンプルに物事を考え直す事をお勧め致します。

是非とも顧客ニーズ(顕在需要のみでなく潜在需要も)にフィットするモノ・コトを提案できるビジネスフレームを構築できる経営者の育成を望むものです。実践はやってみないと判らない事もあるのですが、やる前に判る事は事前に抑えておくべきです。

売場以外にはヒントとマネーが落ちていないのですから、常に現場でヒントや気付きを見つける知力と、それを拾う体力を身につける事が企業を維持向上させていく重要なファクターなのです。マーケットはブルーオーシャンなのですから、マーケティング力とマーチャンダイジング力、そしてマネージメント力のバランスの良い構築が必要です。
健全なる企業経営に早急に改善・改革できる事を祈念致します。

2015.04.27
株式会社 オチマーケティングオフィス  生地 雅之


Copyright@2016 Ochi Marketing Office.All Rights Reserved.