株式会社オチマーケティングオフィス 


<79>春休みの男の買い物

政権交代を皮切りに、経済回復への模索が漸く始められようとしています。
しかしながら、先は消費税増税といういばらの道があり、そう簡単には行きそうもない現状です。
各企業は現状からの脱却を求めてはいますが、現実手を付けられているのはほんの一握りの企業に過ぎないのです。

何故かと言えば、大半の企業の経営者達は実は現状にそう切羽詰まった危機感がなく、過去の成功体験にしがみつき、不景気という台風が過ぎ去っていくのを待っているのです。
しかし、一部の企業の経営者達は、現状を踏まえて先々を予測し、経営の舵取りを難しくても、信念を持って挑戦して行こうとされています。

今回からファッションのシーズンMDを切り口について、四季MDを提言してみようと思います。

春休みは子供だけの休みなのではない分、ファミリーでの行動が顕著であり、家族での旅行や買い物の頻度が高くなる時期です。この時期の土曜日や日曜日といえば、人気リゾート宿泊施設は料金も高く設定されているにもかかわらず、予約で埋まっています。また、ショッピングにおいても、百貨店やGMS、ショッピングセンターは入店客が平月に比べ、増加しています。

ところが、メンズウエアについては、男性に購入の決定権はあまりなく、ほとんど女性(奥様)が握っています。そのため、ファミリー層のメンズウエアを購入してもらうには、まずはその店を女性客に認知してもらうことから始まります。

そう考えれば、メンズショップやメンズウエア売場だからといって、背の高いパイプ什器が置いてあり、また手の届かないフェイスアウト陳列がされている売場には、女性は見向きもしません。
ウィークディに時間のある女性たちに対して、メンズ売場でカジュアル洋品の楽しさを表現しておき、ここにメンズウエアがあるという認識を植えつけておくことが重要なのです。

また、女性のみでメンズウエアを購入したとしても、カジュアルアイテムの一部や洋品であれば、かなり高い代理購入比率になっています。ウィークディに、カジュアルや洋品を女性に提案しながら、重衣料やカジュアルアウターの良さをVP等で表現しておき、さらっとでも眼に触れてもらうことがポイントなのです。

この種蒔きにより、土曜日や日曜日に家族連れで来店したときに、「この店にいいメンズウエアがあったわよ!」と言って入店され、男性はその売り場の中で購入の決定をしているのが実態です。そのために店は何をすべきかを研究すべきなのです。

しかし、売場は女性の視線でよく見える状態に設定すべきですが、商品構成は女性向けではいけないのです。女性が好む色ではなく、女性が男性に着てもらいたい色をそろえる必要があります。女性が自分のものを購入するときに、1商品のみを見ても即決定はしません。つまり、比較してから選びたいのです。

この点を勘違いしているショップや売場、商品が多いので、注意する必要があります。
女性は、男性と一緒に歩くときに、同性の目が気になっています。例えば「お宅のご主人、すてきね!」と言ってもらいたいのです。この点を理解した上で、商品企画を立て、展開商品をセレクトすることがポイントであり、特に洋品(シャツ、カットソー、セーター等)が重要アイテムなのです。

メンズウエア業界は、大半はこういった環境に置かれていることを前提に、商品企画を立て、店頭展開をしていく必要があるのです。これを無視して売り上げ拡大は至難の業なのです。
できれば、男性にも自分のライフスタイルにこだわりをもってもらい、ウエアに対する審美眼を養ってもらい、自分の目で選んでほしいものです。
しかし、現在の日本の経済環境の中で、男性自身が余暇を利用してメンズウエアを購入する時間を取れる人はほんの一握りしかいません。ハッピーリタイア族と独身男性の一部(親元からの通勤者中心)程度です。今後もこの状態はまだまだ続くと思われます。その改善を前提にした商品企画、店頭展開を実行しながら、少しずつでも提案を進めていきたいものです。

衣料品売場の活性化に向けて、是非とも顧客ニーズにフィットできる商品提案を望むものです。
実践はやってみないと判らない事もあるのですが、やる前に判断できる事は事前に抑えておくべきです。是非とも健全なる売場構築に早急に改革できる事を祈念致します。

2013.03.29
株式会社 オチマーケティングオフィス  生地 雅之

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