株式会社オチマーケティングオフィス 


<6>GMS衣料品売り場に欠けているコト

現在のGMS衣料品売場において、欠けているポイントについて、いくつか列記しましょう。

1)顧客満足
顧客の満足を満たしている売場はあるのでしょうか?
まず皆無と言って良い程、見当たりません。逆に不満が山積しているのが現状です。
顧客満足度の向上と小売業界やマスコミが取り上げ出して既に20余年が過ぎています。
小売業の永遠の課題とも言えます。実際は小売業のみでなく、BtoBのビジネスも
同様です。
店の店員さんの対応の悪さもありますが、商品レイアウトに不備があり、
探すのに苦労する売場の多い事。(店員さんの対応の良い店も中にはありますが、、)
まずは、顧客不満足の解消を第一義において、
売場構築や接客販売を見直す事が必要です。

2)グレードの高い適度なセンスあるリーズナブル価格のブランド・商品
現在の日本においては格差社会と言われていますが、まだまだ2極化は程遠く、
3極化が現存しています。
要は日本の経済は中産階級意識で持っていると言っても過言ではありません。
常に良いものを身に着けようとされる人達が結構いるのです。
良いものを安く購入したいが、悪いもの・必要のないものは1枚たりとも購入しないのです。
既に箪笥在庫は捨てるほど持っている状況の中で、新たに購入するには、
まず現在の着用商品にコーディネィトでき、
少し新しく見えるファッションを目指しているのです。
行き過ぎのファッションをリードするファッション雑誌も多く、
出来ればセレブでありたいと思うのは誰しもですが、
現実との乖離が激しいと逆に業界からお客様が遊離していくのです。
この前提をベースに、持っている事や着用している事がその人のライフスタイルを
表現できているブランド構築を最優先したブランド戦略・売場構築を実践すべきです。

3)わくわく・どきどき感のある売場構築
現在の小売業において、「今度行けば何を提案してくれるのだろうか?」と
お客様に考えていただける売場がどのくらいあるのでしょうか?
大半はあの店は常にあの状態であるから、
行かなくて分かると判断されてしまっています。
常に少し新鮮な提案を表現している売場なら、
時間がなくても行って見たいと考えていただけるのではないでしょうか?
現状の顧客に焦点を合わせすぎ、次の提案を表現できていない事は残念であります。
要は提案力(ライフスタイル提案・コーディネィト等)の引き出しがいくつあるかと
言う事です。

このように、既存の売場改革はそんなに難しい事ではないのです。
経営者自身も顧客視点を持ち、目標を明確に設定・示唆し、
幹部や現場が顧客視点で売場を見直せば、自ずと道は開けてくるものです。
要は「この売場で、この接客で、このサービスで、この売場レイアウトで、
このヴィジュアル提案で、この商品を、この価格で自分が身銭を切ってまで
購入するか?」と自問自答する事が重要です。

GMS衣料品売場にて、顧客満足度の高い売場構築が早急に実現できる事を
祈念致します。

2007.02.28
株式会社 オチマーケティングオフィス  生地 雅之


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