株式会社オチマーケティングオフィス 


<36>東関東地区リサーチ情報K
=あみプレミアムアウトレット+イオン土浦SC+イーアスつくば+ららぽーと柏の葉+流山おおたかの森SC


5月9日(土)に茨城県のイーアスつくばと千葉県のららぽーと柏の葉+流山おおたかの森
SCを、7月8日(水)と8月19日(水)に茨城県のあみプレミアムアウトレットと
イオン土浦SCにリサーチしてきました。
近視眼的ですが、リサーチにて感じた内容を想いのままに記載してみます。
少々乱暴な点はご容赦願います。

1) あみプレミアムアウトレット (09/07 OPEN)
常磐道の桜土浦から圏央道に入り、阿見東ICを出たら即駐車場であり、上野から
50分で到着します。JR土浦駅からバスで約20分の位置にあり、周りは未開発状態です。
佐野のプレミアムアウトレットも同様に川口から1時間弱で到着するので、都心からの
来客は今後も増加するものと思われます。
圏央道は来年には成田まで(約30KM)繋がり、海外からの観光客の最後の買い物
場所にもなりうると推測できます。
現在、中国からのお客様は関空に入り、アウトレットを見て、京都〜富士山を観光して、
東京裏原宿をリサーチコースに入れて、最後はイオン成田SCで買い物をして
成田から帰ると、言われていますが、この圏央道が繋がれば、最後はこの
あみアウトレットになると思われます。
現在のショップ数は104店であり、レセプションではPMに地元のお客様をプレオープンと
称し、入場していて賑わっていました。ラグジュアリーがほとんどなく、COACHが一番の
列をなしていました。但し、フードコートはそこそこの知名度のある店を集積しており、
三田屋本店、KIHACHI(ソフトクリーム)、宮武讃岐製麺所等が各ショップでなく、
フードコートの壁面に店を連ねています。
ファッション関係のショップは、定番のGAP、ジャーナルスタンダード、ビームス、
トミーヒルフィガー、JUNMEN、ジャイロ、ディーゼル、アーバンリサーチ、ツモリチサト、
アシックス、アディダス、ニューヨーカー、ブルックスブラザーズ、ローリーズファーム等に
加え、アンダーアーマー、マックレガー、レイバン、たち吉等の余りアウトレットに
出ていないショップも出店しています。
既に1ヶ月を過ぎ、落ち着いてきていますが、平日の昼過ぎでありながら、駐車場が
80%程度埋まっており、安定した売上を構築しつつあります。
初年度の予算は140億円とも言われていますが、170億円になると予測できます。
当初から増床を意識したレイアウトであり、フロアガイドを見ても、上部に横に通っている
導線がセンターアヴェニュであり、下部に横に通っている導線がウェスタンアヴェニュと
記載されている事を見ても、センターアヴェニュの上部に増床して、イースタン
アヴェニュと名付ける予定と推測できます。
増床のショップにも課題がありますが、このエリアではハイグレードなラグジュアリー
ブランドよりもセカンダリーブランドを軸とした展開と、レストランの充実が必須で、それを
クリアすれば増床後は入間クラスの260億円までは可能と思われます。
但し、旧ターミナル紳士服専門店のベテランらしい男性店員の対応で、接客時に
後ろ手に組み、フーデッドパーカをフィッティングで試着しようとした若いお客に対して
ため口をきき、「そこは女性専用(女性専用とは表示していない)で、
フーデッドパーカくらいならこの場所(店の通路)でそのTシャツの上から着れば」と
言っていたのには驚きました。
この様なお客様に上から見下すような対応をしている店があるようでは、
課題も残るでしょう。
ルミネの様な教育システムの導入や徹底も、今後のアウトレットにもより重要でしょう。

2)イオン土浦SC (09/05 OPEN)
上記あみアウトレットから、車で約30分、JR土浦駅よりバスで15分程度の郊外に
オープンしたSCであり、3層で構築されており、1Fの核店舗はJUSCOと反対側に
電器のノジマとペットシティと無印良品、2FにAEON-STYLE-STORE(JUSCO)と
中央にユニクロ、反対側にスポーツオーソリティ、3FにはJUSCOと中央に楽市楽座、
未来屋書店、反対側にシネマサンシャインが入っています。
個店としては、いつものRIGHT-ON、HUSH-HUSH、BEARCH-SOUND、アスビー、
メイル&コー、イッカ、コーエンに加え、ディズニーストア等も入店しています。
飲食は1Fのメインストリートの裏に専門店、3Fのメインストリートの裏にフードコートと、
一応の配慮はされていりものの、グレードは高くありません。
ショップ数はファッションとグッズが88店(55%)、飲食が43店(25%)、サービスが
32店(20%)の163店の規模です。飲食は過去よりも比率が高められてはいますが、
内容・レベルに課題が見受けられます。
メイン通路巾は妥当な巾であり、「広過ぎず狭過ぎず」であり、片方側の店に興味を
持っても、もう反対側に見に行くことが苦痛でない程度の通路巾で問題はありませんが、
薄暗く感じられる照明に難があります。現在に日本で、売場が暗いと全くといって売上が
取れませんので、至急変更すべきでしょう。
全体的には平凡なSCであり、特長が明確に浮き彫りになっていません。
これからのSCはその地域やショップ編集の特長を表現しないと、他にも良く似たSCが
乱立してきているのですから、もっとオリジンを謡えるMDやコンセプトが必要でしょう。

3)イーアスつくば
つくばEXの終点のつくばの一つ手前の研究学園の駅から5分程度のところにある
イーアスつくばはファッション+雑貨で94店(42%)、インテリア+生活雑貨で31店(14%)、
飲食で56店(25%)、サービス40店(18%)、アミューズメントで1店の計224店と
そこそこ大規模です。
アウトモールは1層で、麗風つくば(結婚式場)、ペットショップのコジマ、
ツルハドラッグ等やフードコートがあり、その横にインモールが3層あります。
インモールの核店舗は1Fの手前が食品のカスミ、奥側のFIT-HOUSE、中央にダイソー、
野村證券があり、2Fの手前が電器のノジマとユニクロ、奥側にナムコランド、
中央にスーパースポーツゼビオ、その反対側にサイバーダインスタジオ、3Fの手前に
トイザラス、奥側にMOVIXつくば、中央にACADEMIA(本+CD)があります。
専門店は、アーバンリサーチ、ABCマート、シャツプラザ、スーツセレクト、トリンプ、
ハニーズ、BEARCH-SOUND、ベネトン、ムラサキスポーツ等、オーソドックスです。
飲食は1Fのメインストリートの裏側に飲食の専門店で、3Fの同様の位置にフードコートが
あり、メインから見えなく設定されているので、質感は維持できています。
このエリアはつくばEXの運賃が高く、定期を持っている人以外は、電車ではコンスタントに
来店できないので、地域密着型のテナント構成は良いと思われます。
ただ、周辺には全くなにもなく、車での顧客リピーター作りが重要と言えます。

4) ららぽーと柏の葉
つくばTXの柏の葉キャンパス駅前にあり、物販は3層で、4FにはMOVIXと
CARNA(スパ)があり、その横に1F〜5Fまで駐車場が併設されています。
店舗数は167店で、ファッション+雑貨が68店(41%)、インテリア+雑貨が24店(14%)、
飲食は41店(25%)、サービス+アミューズメントで34店(20%)となっています。
核店舗として、1Fは東急ストア、無印良品、ダイソー、2Fにユニクロ、アクタス、NEXT、
3Fにはアカチャンホンポ、KABOS(本)、HMVとなっています。
専門店は、CORTE-LARGO、SUIT-COMPANY、RIGHT-ON、HAC、GLOBAL-WORK、
BEARCH-SOUND、ORBENE、FRANC-FRANC、島村楽器、TOKAI、ムラサキスポーツ等があり、
飲食は3Fの吹き抜けの横にフードコート、壁面に専門店が並んでいます。
全体の導線の取り方に難があり、回遊性のない、買い廻りの悪いレイアウトです。
効率良く回るには不便な状態です。

5) 流山おおたかの森SC
つくばEXの上記の柏の葉キャンパス駅の一つ東京寄りの流山おおたかの森駅であり、
東武野田線との乗り換え可能な駅の前にあり、2Fから連絡通路で繋がっています。
店舗数は138店と少し規模は小さいですが、3層で上手く纏められています。
核店舗の1Fは、高島屋FOODMAISON、IY食品館、2Fは紀伊国屋書店、LOFT、3Fは
TOHO-CINEMA、セントラルウェルネスクラブ、ナムコランドです。
専門店のメインは、AIXアルマーニエクスチェンジ、ZARA、ブルックスブラザーズであり、
飲食はフードコート的なものはなく、ほとんど3Fに集結させています。
全体的には見易く、買い易い環境を構築できており、質感を高めようと見られます。

オーバープロダクト、オーバースペースの環境下、これからの日本の消費構造の変化を
鑑み、「お客様目線で売場や商品を見て、手直しはプロの技」といった事を徹底しながら
差別化する事は至難の業ですが、諦めずにチャレンジしていく事は永遠の課題でしょう。
これからも、特にリピーターを財産として捉え、ストアブランドとグッズブランドの違いを
認識され、各ブランドの価値創造による消費者のライフスタイルの確立を目指す
ビジネスの重要性が増すものと考えます。
これらの実行が、今後の発展に寄与できるものと確信しています。

2009.08.31
株式会社 オチマーケティングオフィス  生地 雅之



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