株式会社オチマーケティングオフィス 


<26>最近の話題店オープン事情F

=イオン越谷SC、スナモ、イセタンガール、TOP SHOP/TOP MAN、コナカ・ザ・フラック


今秋オープンで話題のイオン越谷SCをOPEN翌日の10月3日と17日の2回、スナモを
OPEN翌日の10月10日に、9月3日OPENのイセタンガールを9月27日と10月15日に、
9月30日OPENのコナカ・ザ・フラッグを10月3日に、ラフォーレ原宿に10月16日OPENの
TOP SHOP/TOPMANを10月22日に見に行き、リサーチしてきました。
近視眼的ですが、オープンにて感じた内容を想いのままに記載してみます。
少々乱暴な点はご容赦願います。

1)イオン越谷SC(越谷レイクタウン)(10/2 OPEN)
JR武蔵野線越谷レイクタウン(このSCのために作られた駅)を降りて、
即イオン越谷SCのKAZEの入り口があります。ここからMORIのエリアまで
かなり長い距離があり、さらっと見ても約1時間30分(1万歩程度)は歩きます。
周辺は全くなにも建設されておらず、空き地が広大に広がっているのみで、いつになれば
周辺に住宅ができるのか予測も付きません。近隣のイオン浦和御園SCも数年前に
OPENしましたが、その時も周辺には何もなく、現在も同様の状態が続いています。

越谷SCの総店舗数はKAZEで477店、MORIで230店の合計707店(フロアガイドにて)
となり、国内最大のSCです。
OPENして2WEEK過ぎた現在も、業界人を含め、混雑状態です。
売上も現在は好調に推移しているものの、売れている店と売れていない店の差が
くっきり出ており、地域商圏をマーケティング出来ている店と店舗運営がまだ未熟な店の
差は歴然です。
店としてまともに混雑しているのは、入り口のクリスピードーナツとコールドストーンの
アイスクリームのみで、あとはウィンドショッピング状態です。

イオンとUAがコラボしたといわれるコーエンは、やはり価格を落とせばこのグレードと
正直な商品群であり、取り立てて評価に値するものではないと思います。
TAKEO KIKUCHIのTKとそう差はありません。色・デザインはそこそこでも、
素材のチープさはデザインでは隠せません。

全体のファッション店舗は49%、雑貨ショップは20%、レストラン&カフェは20%、
サービス部門は10%で構成されており、昨今のSCのバランスから言えば、
ファッションは10%は多いものと思われ、落ち着いた後には撤退店も出ると推測されます。

特に、MORIエリアの奥側の左の外導線に面しているショップは既に閑散としており、
一番奥のユニクロの吸引力に期待感が掛かっているといっても過言ではないでしょう。
品揃え面では、ユニクロは立ち上がり商品の他店舗の残を集結したような
商品構成であり、先物のウェートはかなり低い状態でした。
ZARAにしても銀座で展開しているようなトレンド物は少なく、地域商圏を意識しての
商品構成と思われます。

レストラン&カフェ関係では、スターバックスが4箇所、マクドナルドが2箇所、
サーティワンも2箇所、和幸はとんかつとかつどんと2タイプの展開等、
ばら撒き状態であり、どの場所が効率が良いのかをマーケティングし、
結果が出てからの1〜2店舗の撤退を予測しているように見えます。
ファッションショップも同質化している店も多く、散らばせている点は評価できますが、
落ち着いた段階では整理されてくるものと思われます。
最終的には固定客を作れるか否かに掛かっているといっても過言ではないでしょう。

東京から片道1時間程度を要する郊外型SCには、落ち着いた段階では
近隣25km商圏程度のマーケットと予測され、それで維持ができるかが課題でしょう。
オーバーストア、オーバープロダクト状態に、いつ歯止めが掛かるのでしょうか?

2)スナモ(南砂町)(10/9 OPEN)
東京の営団地下鉄東西線の南砂町から徒歩5分程度の場所に、都心型の小型SCが
誕生しました。
ALLで104店であり、4層の各フロアに核店舗を貼り付け、その周辺に小割りの店舗を
レイアウトし、見易い環境です。

1Fにイオンの食品とカインズホーム、2Fにコジマ、ユニクロ、ライトオン、3Fに
スポーツデポ、フタバ図書、西松屋、4Fにドウスポーツプラザ、アドアーズ(ラジコン)を
核にしてのショップ構成で、小さいショップも前述のイオンに比べて、しっかりと店構えも
手を入れた状態で、都心のお客様を意識した店作りです。

近隣にはマンションが建ちかけており、いままでの倉庫街からの脱却を街ぐるみで
計ろうとしているように見えます。今後は可能性のある商圏に広がるものと思われます。

3)イセタンガール(新宿伊勢丹B2F)(9/3 OPEN)
今までのBPQCと異なり、ターゲットをより明確に絞り、母親と娘さんを対象に、価格も
リーズナブルに抑えた商品構成にしてブランドを配置しています。
日本人に合い易い天然繊維高混率の商材などは、これからのファッション傾向に
マッチしているものと感じられます。唯一の欠点と思われるのは、ボリューム感に
欠ける点と言えます。しかし、久しぶりに百貨店のMDらしさを体感できました。

4)TOP SHOP/TOPMAN(原宿ラフォーレ2F)(10/16 OPEN)
英国のファストアパレルといわれるTOP SHP/TOPMANの一号店は、原宿ラフォーレの
2Fに展開し、ファッション感度はH&Mクラスですが、よりヤング系です。
素材・品質はH&Mほど酷くもなく、ZARAクラスに近いものです。
価格もGAP程度であり、少し高い目でした。
プロモーションもほとんどなく、話題にもなっていません。
売場はレディスが鏡張りで広く見えるテクニックを使用して広く見せようとしていました。
ヤングターゲットに絞り込んでいる点は評価に値しますが、このような店では現在は
原宿ラフォーレにあるからヤングが多いのですが、多店舗展開を推進していく上では、
MDが金太郎飴なら自滅の道を辿る可能性があります。
しかし、ファストアパレルの基本はセントラルバイイングであり、個店対応が
不可能ではないかと思います。

5) コナカ・ザ・フラッグ(新橋)(9/30 OPEN)
日本繊維新聞にてコナカの社長は、紳士服業界に革命を起こしたようなコメントを
出されていますが、見る限りいままでのサイズ別1フロア展開の店を縦に積んだだけの
展開です。
高島屋新宿店が少し前に50億円も掛けてリニューアルし、前年実績を落とした経緯は、
いままでのMDでは駄目だから、横のもの(メンズ1フロア)を縦(多層)にするくらいの
発想の転換が必要だとTOPに言われて、多層階メンズとなって苦戦中なのです。
高島屋としても、このようなリニューアル経費を掛けるなら、現在は中途半端な
百貨店通販に今後拡大を期待して、賭けた方がリターンは大きいでしょう。

コナカ・ザ・フラッグの価格も1万円、3万円、4万円、5万円、7万円、10万円と同一ラックに
並べてあり、1万円でトレンドスーツは揃っていなく、ベーシックのみです。
また、高額スーツもベーシックばかりであり、このクラスのお客様は山ほど
ベーシックスーツを持っており飽きていますので、ヤング以上に茶やライトグレーを
必要としています。
その点を販売員に突くと即パターンオーダーに逃げるのです。

本来は、B1Fに1万円スーツを全体型集約し、1〜2Fにボリュームスーツ(3万円〜5万
円)を、3Fにロイヤルサロンで、7万円〜パターンオーダーを配する方が、良いでしょう。
このままでは高額のスーツを見て、この素材、柄、シルエットで1万円スーツを求める
お客様が多発するでしょう。

ロードサイドは過去に価格破壊を実行してきましたが、現在の価格破壊は
ユニクロであり、GMSの1万円スーツです。
紳士服チェーン店としても1万円スーツを仕掛けるのは時代の流れでしょうが、
既にGMSではイオンの1万円スーツ、ダイエーの8000円スーツ、西友の7900円スーツ
など現在の価格破壊が行われています。
但し、品質、グレードでは紳士服専門店チェーンに比べランク落ちしているのですが、
消費者は見た目で判断が付きません。違いを判るようにしたいのですが、この部分は
接客と仕掛けにアイデアが必要でしょう。

コナカ・ザ・フラッグの価格も既に内税が基本となっており、39900円か40000円かと
社内議論となったとありましたが、外税のジャストプライスの40000円は39900円の
内税よりも値上げしているに過ぎません。
消費者は、この様な小手先の手法では簡単には踊りません。

また、ブランドも通常の自店に展開しているブランドであり、どの地域でも
買える訳ですから、わざわざ紳士服革命と話題にする店には並べないで、
新規ブランドで勝負すべきでしょう。
既存ブランドを買うならわざわざこの「コナカ・ザ・フラッグ」に来る必要はなく、
何故ここなのかと言った必然性が見出せません。
ただ、店を綺麗にしただけではないでしょうか?
本来なら、コナカの名前を外し、「スーツ・ザ・フラッグ」等にして、これからの時代に
マッチした新しい紳士服店を開発すべきでしょう。

現在の紳士服の穴でありますヤングアダルトからアダルトへのトレンド提案は
ほとんど出来ていなく、ヤングマインドのAB体は店頭にはほとんどありません。
スーツカンパニーが多少上手にサイズ対応している程度です。
既にヤングアダルト〜アダルトのお客様の感性はヤングと変わらない程度であり、
体型のみAB体にシフトしているのです。
色、素材についても、アダルトのお客様は、ベーシックカラー(黒やチャコールグレイ)を
既に多く保有しており、彼らこそ茶やライトグレー、ブルーなどの箪笥在庫に
無いものを欲しているのです。

「お客様目線で売場や商品を見て、手直しはプロの技」といった事を徹底する事は
至難の業ですが、諦めずにチャレンジしていく事は永遠の課題でしょう。
これからも、特にリピーターを財産として捉え、ストアブランドとグッズブランドの違いを
認識され、各ブランドの価値創造による消費者のライフスタイルの確立を目指す
ビジネスの重要性が増すものと考えます。
これらの実行が、今後の発展に寄与できるものと確信しています。

2008.10.24
株式会社 オチマーケティングオフィス  生地 雅之



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