株式会社オチマーケティングオフィス 


<14>最近のファッションビル・リニューアルオープン事情A

9月の町田東急ツインズのリニューアルオープンや10月の浦和パルコと有楽町マルイの
新店オープンには、目を見張るバブル状態です。
近視眼的ですが、リニューアルやオープンにて感じた内容を想いのままに記載してみます。
少々乱暴な点はご容赦願います。

1.町田東急ツインズ・リニューアルオープン
町田地区は小田急が旧態然とした郊外百貨店のままであり、地域の高齢者中心に
ターゲットを絞ったMDラインを敷き、東急はいままでのMDラインでは今後の運営が
難しく、今回の専門店ツインズ(EAST+WEST)の対応に変化させたものと見受けられます。
しかし、リニューアルオープンの実態はただ単にどこにでもある程度のショップを並べ、
また、地域の地権者が残っているような見栄えのする旧態然の店ばかりが目に付きます。
わざわざツインズと大げさに謳わなくても、単に地方の古いSCそのものと言う状態です。
EAST館は小割のショップであり、これといった目玉的ショップはDIESEL,FRED
PERRY、COLLECTORくらいであり、UAでなくGREEN LABELは正解と思われますが、
JAYRO WHITEよりROPE PICNICの方が良かったのではと見受けられます。
但し、モチクリーム(食)を導入したことはこの地域には斬新であったと思われます。
WEST館については、コムサ・ストアをベースにGAP,アニエスベーからコロンビアや
ティンバーランド、トミーヒルフィガー等の大箱中心となり、こちらは指名買いの館となり、
流動客は入りにくいと感じられます。といってEAST館が見易いものでもありません。
出来れば、EAST館、WEST館をクロスさせ、EAST館の大箱の上のフロアは小割
にして、EAST館の大箱の同階のWEST館は小割にすると言ったクロスゾーニングに
しておけば多少視線誘導が出来て、滞留時間が長くなり、購買に結びつき易かったの
ではと思われます。

2.浦和パルコ・オープン
浦和パルコのオープンは伊勢丹の反対側であり、駅の目の前でありますが、僅かとは
いえ雨の日には少し濡れる可能性があります。今後改善されると良いのですが、、、
郊外SC並みの面積を構え、3基のエスカレータや3基のエレベータの位置も検討され
ており、回遊性の高いフロアゾーニングになっています。
浦和においては、トレンド重視でなく、このくらいのディリー購買要素の高いショップが
多く張り付いている事が重要であり、銀座や渋谷でないのですからリーズナブル価格
MDラインが充実している事が最優先で良いと思われます。
前述の町田東急ツインズ同様のGREEN LABELやDIESEL, ROPE PICNIC等が
1〜2Fに、大箱の無印良品やLOFT,FRANC FRANC、島村楽器、TOWERRECORD
等が3〜4Fに小割ショップと輻輳してレイアウトされています。
回遊していても目の遊びがあり、細かく言えば多少理屈に合わないリレーションも
ありますが、全体的には浦和には合っているものと考えられます。
但し、1〜3F(4Fなし)のCAFEの位置はばらばらであり、万が一の今後の入替を
考えると水周りの場所固定が必要であったと思われます。
5Fのレストランフロアは新宿中村屋や串揚げの立吉等も入り、そこそこと思われ、
B1Fの大丸フードマーケットと合わせて見ると、ラゾナ川崎の縮小版のようであり、
充実していると思われます。
全体的には浦和の周辺顧客には満足度が高く感じられ、ストップ・ザ・東京になる
可能性は高いでしょう。
浦和伊勢丹のコロソ部分の一部増床がどのようになるのかも待つのですが…

3.有楽町マルイ・オープン
有楽町マルイのオープンは1フロアが狭い割には、さまざまなフロア構成になっており、
歩いていても厭きさせないショップリレーションや導線や床の構成になっています。
1ショップの商品バリエーションは少ないのですが、銀座と言う地域に合った品揃えを
各ショップが構成できており、わざわざ来る価値があると顧客に印象付けている点は
評価できます。
ただ、照明が全体的に暗い点は問題であり、前回REPORTの伊勢丹の様に、即
改善されるべきと思われます。
JR有楽町駅や地下鉄銀座駅への地下の連絡通路など、プランタン銀座やマロニエ
ゲート等にない利便性は一段と優位性を保つものです。
但し、フード関係やレストランもいままでのマルイ同様なく、隣のITOCIA館にて34
軒の食関係のショップを配しているのですが、マルイとしてはすべて「モノ」の目的に
なっている点は今後の安定性に問題がでると思われ、早急に「コト」が見える対応に
現状のショップの表現を変更する事が望ましいと思います。
また、ITOCIA館の1F、B1Fに地権者か?UNO(パチンコ&スロット)が入っており、
知的なイメージを表現した店のコンセプトを崩しているのが残念でならないのです。

これからも、特にリピーターを財産として捉え、ストアブランドやグッズブランドの価値創造
による消費者のライフスタイルの確立を目指すビジネスの重要性が増すものと考えます。
これらの実行が、皆様の企業の発展に寄与できるものと確信しています。

2007.11.01

株式会社 オチマーケティングオフィス  生地 雅之


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