株式会社オチマーケティングオフィス 


<1>GMS衣料品売り場の課題

現在のGMS衣料品売り場の売上は、全体的に不振に喘いでいます。
少し前年より持ち直したとは言え、前々年(04FW)の最悪状況に対しての前年比です。
全くと言って良い程、底打ち感もなく、改善されての前年比UPとは思えません。
WARM−BIZも吹っ飛んだ厳寒の多大なる恩恵を被っていたのであります。
では、何故GMSの衣料品が売上不振に陥っているのでしょうか?
また、隣接していますSC(ショッピングセンター)の専門店チェーンのショップの全体的な
上げ潮ムードも好対照です。

これは消費者の顧客心理に大きく依存しているのです。
まず、現在のGMSの顧客の中心でありますニューファミリー〜ニューミセス〜ミセス
(30〜50歳代)の女性客は現在のGMSの衣料品売場で、衣料品を選んでいる姿や
購入している姿を近所の女性達に見られたくないのです。
と言うことは、GMSの衣料品売場の環境イメージが悪いのです。
GMSの食料品売場での購買は何の衒いもなく消費者は購入するのですが、下着や
パジャマを除く衣料品になると、一気に抵抗感が現れるのです。

いまや、デパートのワゴン商品の方が、GMS衣料品売場より安い商品や、グレードの
低い商品も多くなってきています。
その理由は、いままでのGMS取引先メーカーがGMSの衣料品売上の低迷に伴い、
販路を委託でも百貨店に目を向けてきているのが実態です。
よって、グレードはGMSの衣料品売場の商品で、百貨店のワゴンや催事を
埋めているのです。
しかし、商品がいくらGMSのグレードでも、百貨店で購入すればパッケージは百貨店
であり、帰宅時に近所の人達から、「あの奥さんは百貨店で商品を買ってきたのよ」と
消費者の心理的満足を充足するものです。
このステータスはまだまだ消費者の中に大きく根付いているものです。

また、GMSと共にSCに出店しています専門店は各ショップとも30〜50坪程度が中心で、
テイストを絞り込んでの商品展開が中心であり、一つ一つが興味を引くヴィジュアル表現を
構築しています。
最近は50〜100坪もある大きな1ブランドショップの方が、テイストが散漫になり、匂いを
出し切れていません。
そこで大手アパレルは大箱を25坪程度の小割りに区分けし、それぞれの味付けに差別化
表現をして人気を博してきています。
これをGMS衣料品売場と見比べてみますと、匂いの差が歴然としています。

また、GMSの衣料品売場の接客についても問題が多いものです。
ため口を言ったり、商品知識も少なく(教育されていない事が問題)、
価格のアンバランスさも大きく消費意欲低減に繋がってます。

よって、上記の心理的要因の対応策とテイスト別グルーピングの手法や販売員教育は、
今後のGMS衣料品売場の活性化に寄与するものと考えられます。

我々は、今後のGMS衣料品売場の復活をサポート致します。

2006.5.8
株式会社 オチマーケティングオフィス  生地 雅之


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